【株式会社FUNDINNO】更なる高みをめざすベンチャー企業を後押しするためにRiskAnalyzeを実装。
2023.11.30
2023年5月、政府が掲げたスタートアップ育成5カ年計画が本格始動し、勢いにのるスタートアップ市場。それ以前から株式投資型のクラウドファンディングでベンチャー企業をサポートしてきたのが株式会社FUNDINNO(以下、ファンディーノ)です。ファンディーノが提供するスタートアップの株主管理・経営管理を行うプラットフォームがFUNDOOR(以下、ファンドア)。ファンドアにおける反社チェック機能としてRiskAnalyzeを実装することが決定しました。これによってファンドアを利用する企業は、登録された株主や投資家の反社チェックができ、安心して経営に専念できるようになります(※1)。 RiskAnalyzeと提携した経緯と、今後の要望をお伺いしました。
(※1)FUNDOORの特定の有料プランをご契約された企業様が反社チェック機能(RiskAnalyze)をご利用いただけます。最新の料金プランはFUNDOORのHPよりご確認ください。
「もっと沢山の会社に使っていただきたい」その想いから連携を決定
今回は提携していただきありがとうございます。ファンドアの有料会員様のサービスに提供した理由をお聞かせください。
次回の資金調達時や上場申請するにあたって反社チェックは必須であるため、元々、ファンディーノで資金調達が成功した会社にはRiskAnalyzeを使っていただいておりました。「とても便利なので、他の会社にも利用してほしい」という声が会社内外からあったため、今回お客様への提供サービスのひとつとして取り入れさせていただきました。
ベンチャー企業の株式投資型クラウドファンディングを実施した場合、どれくらい資金調達が可能ですか?
株式投資型クラウドファンディングで資金調達できる金額は1年間で1億円未満と法律で定められており、ファンディーノの実績における成約額では1件あたり平均で約3000万円となっております。クラウドファンディングですので、民主化された投票のようなもので、小口で大勢の人から出資を受けられます。 様々なバックグラウンドを持つ多数の株主が味方になることで事業のサポートをしていただけるケースもありますし、to C型のサービスを展開している会社様であれば、顧客としてサービスを利用してもらえる可能性もあり、株主でありカスタマーにもなりえるので相乗効果が期待できます。まだまだ道半ばですが、年々少しずつ認知していただけているのかなと実感しております。
今回はファンドアのRiskAnalyzeの連携ですが、その狙いはどこにあるのでしょう?
今回はファンディーノで資金調達された会社様とは別に、ファンドアユーザーである会社様にむけてRiskAnalyzeを実装させていただきました。元々、ベンチャー企業の一つの大きな目標として株式上場がありますが、それにはコンプライアンスチェックが欠かせません。ですが、事業に熱心なあまりに、守りであるコンプライアンスチェックに対しては疎かにしてしまいがちな企業もあります。
私どもKYCCもベンチャー企業ですが、安定収益を上げないといけないので、どうしても大口の企業の営業に力を入れてしまいます。小口のコンプライアンスチェックもニーズがあると知りながら、行き届いていませんでした。KYCCがサービス提供できないお客さまにファンドアを通じてサービス提供できるのはとてもありがたいです。
そう仰っていただけて、安心しました。
KYCCでは直近数年間ではリーチできないお客様にファンドアからリーチいただいています。スタートアップ企業にとっては月々3万円の費用でも馬鹿になりません。
ファンドアに反社チェック機能を実装した際には、早速、ご利用のお申し込みをいただきました。
RiskAnalyzeは風評検索も備えています。たとえば掲示板の悪い口コミなどの、インターネット上の噂のような、事実確認が不明な、会社の評判を整理する機能を装備しているのでお伝えください。
そうだったのですね、初耳でした……。
上場準備をする会社は証券会社からコンプライアンスチェックだけでなく、自社の評判の把握を指導されます。建設、不動産、産業廃棄物に関連する業者はIPOでのコンプライアンスチェックを厳しくみられて、風評情報までチェックするのがスタンダードです。
こちらも存じ上げておりませんでした、勉強になりました。
暴力団のフロント企業が多いので、チェックが厳しくなります。これは昔からですが、最近ではIT系や人材系のプロダクションでもニュースに取り上げられます。コンプライアンスチェックする業界の範囲はどんどん広がっていますね。
そのような背景があったのですね。私の個人的な感覚ではありますが、ベンチャー企業は少ないリソースの中で事業を伸ばすことに集中していることもあり、コンプライアンスチェックの必要性を感じているベンチャー企業は多くはないのではないかというのが正直なところです。上場が見えてくると、情報が入ってきてようやく気がつく感じですかね。シード期・アーリー期で資金調達したばかりだと、ピンときていない企業がほとんどのような気がします。
「まさか反社と関わる企業と自分の会社が取引している」とは想像もできない。そんな企業がまだまだ多いようです。
言われてみると、私自身もどちらかというとそういうタイプかもしれません。まず直感的には大丈夫だろうと思ってしまうので……
統計を見ると、名前だけで検索して、コンプライアンスチェックにかかるのは約7%、生年月日を加えたら約1%です。ファンドアの場合、株主情報なので名前、生年月日、住所のなどの情報があるので、精度の高い情報を取得できています。
そうですね。株主は一番深入りしているといいますか、命を分け合った仲間という存在だからこそ、しっかりとチェックしておく必要があるのかなと思います。
多くのベンチャーが見落としがちなコンプラチェック。上場を妨げる落とし穴になる可能性も……
実態としては、企業検索をしても約5%は該当します。KYCCでも購入した営業リストをコンプライアンスチェックにかけると必ず3%から5%は毎回該当していますね。ですから、不祥事を起こした会社や反社と関わる会社と取引してしまうのは、まれなケースではなくて、珍しくないと言えます。
コンプライアンスチェックをネガティブな意味でなく、チェックすることで安心して取引するためのポジティブな行為として広めていきたいですね。
まさに上場を見据えるならば、ガバナンス体制を整えるという目線を持っていただきたいと考え、RiskAnalyzeとの提携を決めたので、ぜひ啓発活動できればと考えております。
現在では手動で検索する仕組みですが、いずれは自動的にコンプライアンスチェックが完了するインフラを作りたいと考えています。
それはありがたいですね。資金調達した後で出資者に問題があると分かっても遅く、あとでトラブルになりかねません。投資家候補のリストの段階でのチェックが自動化できたらいいですね。
本日はありがとうございました。今後も貴社の期待に応えられるよう、機能改善に注力していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。